『京人形』は正式には『銘作左小刀(めいさくひだりこがたな)』というお芝居の一場面で、名匠、左甚五郎を主人公にした舞踊劇です。
お話は甚五郎が廓(くるわ)で見染めた美しい遊女を忘れられず、その姿を彫った人形を相手に盃のやり取りをしていると、不思議や人形が動きだし、女の魂とされる鏡を懐に入れてやるとしとやかに女らしく、鏡が落ちると無骨に荒々しく踊るのというもの。左甚五郎はもの凄い名人だったという伝説がベースにされています。
京人形の可憐な踊りから一転、後半は甚五郎と捕手の立ち廻りとなり、右手を傷つけられた甚五郎が左手だけで大工道具を武器に鮮やかに立ち廻るのが見どころです。
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