一枚〜二枚〜
『播州・・・』は有名な怪談「皿屋敷」をベースにつくられたお芝居です。その基にされた怪談はいくつかヴァリエーションがあるようですが、基本形は、武家勤めの腰元・お菊が勤める家の家宝、十枚組みのお皿のうち一枚をあやまって割ってしまい(あるいは失くしたと濡れ衣を着せられ)、主人に折檻(せっかん)された挙句、井戸へ投げ込まれた。その後、お菊の亡霊が夜な夜な井戸から現われ、恨めしげに「一枚〜二枚〜」とお皿を数える、というものです。
このお話、お芝居の他、講談や映画にもなっており、落語にはこれをひねった「お菊の皿」というネタがあります。今回はその一席を少々端折りますが、ご紹介しましょう。
九枚まで聞くと・・・
江戸っ子は物見高いと申します。野次馬根性ってやつでして、そんな江戸っ子の一人が「皿屋敷」の話を聴き、仲間を誘って、幽霊見物に乗り込むことになりました。向かうは番町、今の東京・千代田区番町です。
荒れた屋敷の井戸の前で連中が陣取っておりますと、果たしてお菊の幽霊が現れ、「一枚……二枚……」と皿を数えはじめます。これを九枚まで聞くと狂い死にするという噂があったんですね。連中、六枚まで聞くと、ソレッてんで逃げ出しました。
アイドル並
お菊さんというのは大変にいい女でして・・・。連中もそんなお菊さんに惚れたのか、はたま |