通し狂言『楼門五三桐』は、市川猿之助(いちかわえんのすけ)の十八番(おはこ)の一つ。
京都南禅寺(なんぜんじ)の山門(さんもん)の上から「絶景かな、絶景かな」と、満開の桜を見下ろす大盗賊・石川五右衛門(いしかわごえもん)の姿は、あまりに有名な場面です。
並木五瓶(なみきごへい)の原作では、五右衛門の父が中国の人で、日本を我が物にしようとする壮大なスケールのお話。
ドンデン返しに次ぐドンデン返しの複雑な構成。
市川猿之助は、一人で何役も勤め、その早替り(はやがわり)の変身ぶりにもご注目を!
そして、一面を海に見立てた舞台の盆(ぼん:回り舞台)を廻しながら三隻の舟が行き交う『舟だんまり(ふなだんまり)』も見どころ!
大きなつづらから五右衛門が現れ、空中を引っ込む「つづら抜け」など、幻想的かつダイナミックな舞台が展開します。 |