本名題:『天衣紛上野初花』(くもにまごううえののはつはな)
「弱きを助け強きをくじく」
江戸っ子の美学を地で行くのが、主人公の河内山宗俊(こうちやまそうしゅん)です。
肩書は御数寄屋坊主(おすきやぼうず)といって、大名のお茶会のお世話をする僧侶ですが、盗みの世界にも足を踏み入れたヤクザな男。
ただし、理不尽な弱い者イジメは許しておかない侠気(おとこぎ)・正義感も持ち合わせています。
物語は河内山が、スケベな殿様に閉じ込められた商家の娘を救い出す、という展開。
作者・河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)の七五調のセリフも心地よい!
それから、娘を救出するための大胆な手口、ピンチになってもビクともしないハートのたくましさ。
でも、もらえるお金(ワイロ)は、ちゃっかり懐(ふところ)に入れる人間くささも持ちあわせています。
江戸ダンディズムを楽しもう! |